【あらすじ】
終戦直後、戦いを継続しようとしている部隊を説得すべく、水島上等兵は危険な任務を受けてビルマの山奥へ向かったまま、戻ってこなかった。井上部隊員たちは彼の帰還を信じて待っていた。しかし、水島には日本に戻れぬ理由があった。彼は土になってビルマに残る同胞たちを捨ててはいけなかったのだ。水島は日本に帰る隊員たちに別れを告げ、去っていった。「あぁやっぱり自分は日本に帰るわけにはいかない!」
この本を読んで、涙が止まらなかった。
戦争が終わって遠い故郷に帰るのを拒否してでも、
水島上等兵は自分の信念に基づいた選択をした。
それに対して純粋に心を打たれた。
選ぶべきは絆か、故郷か、それとも土になって残る同胞なのか。
【あらすじ】
いろいろな人がインドを目指す。ある人は戦友を供養するため。ある人は昔の知り合いと会うため。そしてまたある人は死んだ妻を探しに。しかしインドを訪れた人々も、インドに住む人々も救われることは決してない。それでも深い河は流れ続ける。全ての人間の全てを受け入れて。
人間と愛と宗教について、その答えの一つを提示した遠藤周作の集大成。
神は、河は全てを受け入れてくれる。
世の中にはいろんな人がいるが、お前はそれでいい。
悲しい物語なのに、少し救われた気分になるのはどうしてなんだろう?
【あらすじ】
中国での男女のバカバカしいケンカが発端となり、偶発的に核戦争が勃発した。そして、全人類の命をかけたこれまたアホらしい大騒ぎが始まった。放射能を避けて、少しでも長く!人を押しのけてでも!とにかく自分だけは生き残りたい!死を前にして人間はどこまでも人間らしくなくなっていった。スラップスティックコメディアルマゲドン。
こんなに悲惨な小説は読んだことがなかった。
とにかく最初から最後までドタバタ。
核戦争が起こっているというのにドタバタ。
エゴの固まりとなった人間のなんと愚かしいことか。
きっと人類の最後ってこんな感じなんだろうと、
自己中心的な自分を省みて確信してしまう。